このページでは、パッシブ換気システムの特長、そして高断熱高気密についてご紹介します。
パッシブ換気について
イゼンホームは住宅の室内空気環境を良い状態に保つために、北海道大学、北方建築総合研究所が共同開発し、一般財団法人北海道建築指導センター、北海道建設部建築指導課が推奨する、実用新案を取得した「パッシブ換気システム」を推奨しています。
現代の家の多くが換気不足
住宅内の空気は住人の呼吸や調理、発汗などにより水蒸気、二酸化炭素、においなどが増えていきます。家具や建材などからのVOC(揮発性有機化合物)も蓄積されます。特に冬は窓を閉め切ることも多いので、換気が不足していると結露やカビが発生したり、においが室内に蓄積され、住人の健康、住宅の耐久性などにも悪影響が発生します。
そのため、建築基準法は、ホルムアルデヒドなど、有害化学物質による健康被害を防ぐため、1時間で室内の空気の約半分を入れ替えることができる換気システムの設置を義務付けていて、現代の新築住宅は、ほとんどが24時間、機械の力で換気し続ける機械換気を採用しています。
ところが機械換気は、給気口から強制的に屋外の空気を吸い込むので、花粉や埃、虫なども吸引してしまいます。フィルターの目詰まりを防ぐには3か月に1度は家1棟にある6~10か所のフィルターを掃除する必要があります。でも大抵の人は掃除ができておらず、フィルターの目詰まり→換気不足→室内空気環境悪化を招いています。冬の時期に寒いからと給気口を閉じている家も同様の問題が生じます。 結露の原因は断熱不足、だけとは限りません。換気不足が原因になっていることも多々あります。
パッシブ換気の仕組み
まず、換気のために給気口から取り込んだ新鮮な外気を、地中埋設管(アースチューブ)に通します。真冬でマイナス30℃以下の日でも、真夏のプラス30℃の日でも地下1メートルほどの地中は5℃~8℃程度なので、地温によって夏は冷やされ、冬は暖められてから床下に入ります。これによって冷暖房費の大幅節約になります。
取り入れた新鮮な空気は、冬場は床下の暖房機で温めます。そして室内の床にあるガラリから、暖かく新鮮な空気として室内に運ばれます。ガラリだけでなく間仕切り壁の中などさまざまな場所を経由して家全体を自然対流でくまなく循環します。最後には排気筒を通って屋外に排出されます。室内には暖房機の設置も不要です。
NPO法人パッシブシステム研究会の会員が建てたパッシブ換気システムの住宅は道内でもすでに数多く建設されています
引用:パッシブシステム研究会サイト
https://pv-system.jp/jisseki_map.html
パッシブ換気のメリット
パッシブ換気のメリットはたくさんあります。
空気のよどみができにくいのでどの部屋の空気も新鮮
機械換気のような騒音がなく静か
自然の力で換気するので電気代がかからない
暖房機が室内にないので掃除がしやすくやけどなどのリスクもない
フィルター掃除の手間が不要
家全体の温度差が小さく空気の対流もおだやかなので過乾燥になりにくい
長期外出、空き家状態でも換気は継続されるので家の品質が維持できる
イゼンホームによるパッシブ換気の施工事例
こちらを参照ください。
https://www.izenhome.co.jp/case/casetype/passive-ventilation/
なお、パッシブ換気システムを機能させるには、大前提として、住宅の断熱・気密性能が一定レベルを超えている必要があります。
具体的には
隙間相当面積(C値) 1.0cm2/m2以下
外皮平均熱貫流率(Ua値) 0.36W/m2以下
優れた換気システムであるにも関わらず、採用できる住宅会社が少ないのはこうした事情もあります。
では続いて、住宅の断熱・気密についてご説明します。
高断熱・高気密について
イゼンホームは、特段、高断熱高気密を全面的にアピールしているわけではありません。でも、十勝は真冬はマイナス30℃近くまで気温が低下するなど、寒さが極めて厳しい地域。地場の住宅会社としては、当然、高断熱高気密住宅の研究、実践は行っています。
基礎は外側に75ミリ~100ミリ、内側に50ミリのスタイロフォーム
外壁は2×6の軸間に140ミリの高性能グラスウール、さらに付加断熱として外側に50ミリのスタイロフォーム
天井は、ブローイングを400ミリ以上
窓は高性能トリプルサッシ(YKKAP)
を採用することが多くなっています。余談ですが、こ高性能トリプルガラスサッシ「APW 430」の十勝エリアでの採用数が2020年、2021年も1位になるなど、断熱性能を重視する建て主の家づくりも数多く担当させていただいております。
断熱・気密に関しては、性能の良い建材を使えば高断熱高気密になるとはいいきれない部分もあります。施工精度が重要になるからです。
そこでイゼンホームは十勝2×4協会の会員として、定期的なフレーミング検定や気密測定なども受けながら断熱気密性能の強化にも取り組んでいます。
なお断熱・気密性能を向上させた上で、太陽光発電を併用すると、住宅で必要な光熱費を、創エネにより、実質光熱費負担ゼロにすることも可能です。
帯広市 Мさま
「光熱費は、本当に安いですね」とご夫妻。暖房はエアコン、給湯はエコキュート、調理はIHのオール電化なのですが、昨年12月の電気代はエアコンを使わなかったので月額1万円を切っていたとか。さらに、M邸は太陽光パネルを設置しているので、売電した金額を換算すると、年間光熱費は実質ゼロ円になる見込みです。住宅の断熱性能がいいので薪ストーブメインで暖かな暮らしができるのです。
事例記事はこちら
広尾町 Aさま
実際に住んでみて、家じゅうが暖かく、真冬でも薄着で過ごせますし、寝るときも寒くないので掛布団が必要ないくらいです。トリプルサッシなので窓の付近にいてもひんやりする感じがありません。外出しようと外に出て初めて寒い日だったと気づくこともあります。
記事はこちら